◆ 不当解雇の無効請求
解雇権の濫用とは
「使用者には解雇の自由がある」「法律に特別の定めがない限り使用者の解雇権行使は制約されない」と考える人が少なからずいますが、最高裁判決で確立された『解雇権濫用法理』により、客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当として是認することができない場合には、解雇権の濫用として無効になるとされています(昭和52.1.31、最高裁判決)。
最も重要な点は、「客観的に不合理な理由」がある場合に解雇無効となるのではなく、「客観的に合理的な理由」がない限り使用者の解雇権行使は権利濫用で無効となるとしている点です。
解雇が無効がなる場合とは
解雇を適法化する要件として、先に述べたとおり「客観的に合理的な理由」が存在することとされています。この「客観的に合理的な理由」が存在する場合には解雇は有効となり、存在しない場合には解雇は無効となります。
では、この「客観的に合理的な理由」の存否は誰が証明する必要があるのでしょうか?
この存否を判断するためには、使用者にこれを主張し証明するように促すことが不可欠であり、使用者が「客観的に合理的な理由」の存在を主張し証明することに成功しなければ、解雇無効となります。
実際の裁判実務
このように、「客観的に不合理な理由」がなければ解雇無効となるとの解雇権濫用法理が確立したことに伴い、現実の裁判実務においては、裁判長に与えられている「訴訟関係を明確にするため、事実上及び法律上の事実に関して、当事者に対して問いを発し、又は立証を促すことができる」権限に基づき、使用者に対して、客観的に合理的な理由を主張立証するように促す。使用者がその主張と立証に成功しなければ、「客観的に不合理な理由」が存在しないとして、使用者が結果的に敗訴となります。
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